「今日夜勤明けなんですけど、お昼一緒にどうですか」
秋には二十歳になる、少年からの電話。
16歳で、出会った彼との付き合いも三年を越える。何の制度にものらず、私的契約で、ホームに迎えた。
その間、逮捕や審判の付き添い。また、再非行もあり。
しかし、段階的に成長。段階的更生を果たし、今の職場も2年を越える。
人は成長するし、変われる。彼の笑顔や仕事上の葛藤などを聞き、アドバイスしながら、
逆にこちらが、彼から元気をもらう。そして、その後は、少年院に面会へ。
車で小一時間走らせ、足早に面会の手続きを済ませ、待合室へ。
前回の面会では、
反省を強く促すような手厳しい話しをした。
それは、彼の今後が、本気で心配だったから、
勝負をかけた。
今日は、こちらから、働きかけることより、
ワンククッションおいて、向き合って、沈黙の時間があっても彼の思いを聞く側に徹したいと臨んだ面会室。
1ヶ月ぶりの面会。入ってきた彼は、以前より、表情が柔らかくなっている気がした。
会話をしていくなかで
、彼は自らこう言いました。
今までは、自分から大人に対して気遣って、
相談することを出来ていませんでした。
「忙しいのに、時間を取らせたら悪い。」とか、「しょうもない相談をするのが申し訳ない。」など。。。
もし、事件前、周りにいてくれた大人に
相談していたら、こうなってなかったかも
しれません。と。
だから、いま、少年院の中で、
先生に(教官)自分から、もう少し、
面接してくださいと申し出て行きたいと
思っています。
面接を多めにしてもらうこと、それは、
よい意味で甘えること、いいわがままだと思って、もう少し、相談できるようにしていきたいですと。
成長を感じた。
彼は頭が良いのに、反省してるフリは
簡単に出来る能力をもっている。
しかし、実際は、
振り返りがちゃんと出来ていない。
また、本件非行に対して、反省が深まっていると周りにとらえていただけない状況になっている。
反省しているフリは、簡単に出来る能力がある彼がなぜ、そうしているのか。
そこに課題と再非行防止へのヒントが隠されていると感じた。
そして、帰宅したとき、
お世話になっている弁護士さんから着信に気づく。
○○が逮捕されたの報。
少年院を出て、4年再犯がなかった青年が
逮捕されてしまった。。
4年前、出院する2ヶ月ほどまえのカンファレンスで、担当調査官から、資質が悪いから、更生出来ないと言われた彼が4年再犯しなかったのに。。。
しかし、彼はこの4年でずいぶん成長した。暴力性も取れつつあった。
一般就労不可能と言われた彼が、
週に2~3回のバイトも継続できるようになっていた。
これから、彼をどう支え、成長を促せるか。
そんなことを考え、祈りながら、
新しく入所した少年を気遣いつつの、
自立援助ホームでの宿直の夜である。
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