NPO法人チェンジングライフ

貧困や非行等の理由で自立困難な状況にある、青少年の自立支援をしています。

女子少年院に行って来ました。

女子少年院に行って来ました。

今週の水曜日午前は、自立援助ホームの宿直空けに、女子少年院に行って来ました。

ここ数年、年に数回、「特定交友関係指導」を担当しています。

交友関係に問題があって、再非行に至る可能性のある院生に、交友関係の在り方について、

私見や経験談を語り、その後、質疑応答の時間を持っています。

悪友(非行を誘発する仲間)との関係を切れと勧められがちですが、悪友であっても、非行少年少女にとっては、数少ない無二の友であったりします。

上目線で関係を切れと言いたくありません。むしろ、本人が、もう非行をしたくないと願っていたら、出院後、一定期間距離を置かないと非行から離脱は難しい場合が多い。

ですので、人生の向きを変えたい、非行はしたくないと願うなら、悪友と関係を切るのでなく、一定期間、距離をおきましょうと私は勧めています。

世間からは、悪友=悪 という図式が成立していると思われますが、悪友の中には、悪友同士、家庭環境が厳しく、同じ痛みや同じ傷を持った疑似家族的な繋がりがあったりします。

少年によっては、悪友の存在が、犯罪を強要されるような従属的な関係である場合もあり、
また、その悪友によっては、少年院から出てきた仲間が、人生の向きを変えようと固く決意しているならば、繋ぎ止めようとするのでなく、応援して見守ってくれるような、そんな悪友がいたりもします。

悪友といっても千差万別で、特定交友関係指導を受けた、院生個々のケースがあります。

たばこの副流煙と同じで、禁煙を真剣に志すなら、中華料理を食べた後に、喫煙者の近くに、わざわざ、寄らないでしょう。たばこが吸いたくなるからです。

非行から離脱を願っているなら、非行している仲間の近くに行けば、見えない誘惑の煙を吸ってしまい、誘惑に陥りやすくなります。

正直、特定交友関係指導の一コマを担当しているなかで、毎回、思います。

私の話を聞いてくれた院生たちが、そんな優等生みたいに出院後、順風満帆に悪友と切って、孤独ではない、薔薇色の人生を送るのは簡単ではない。

しかし、院生のみなさんには、新しい環境に少し勇気をもって、飛び込んでいって、そこで、少しでも長く定着してほしいと祈るような気持ちで勧めています。

たとえば、ジムに通うのでも、フットサルでも、新しいバイト先でも、そこで、新しい出会いを求めて、自分と価値観や毛並みが違うと思える人と仲良くなってほしいと。

非行が止んだ人、犯罪から離脱した多くの人たちは、今までの人間関係以外の自分とタイプが違う様々な人と出会って、そこから、成長させられて来ている人が多いからと。
そこが分かれ目だと。

女子少年の中には特定の関係に依存しやすいという課題を持つ子も少なくなく、自分でもそれが問題だと感じている子がいます。

また、笑うと笑顔がとても素敵なのに、自己肯定感が低く、自分には毛並みの違う他者と仲良くなれない、仲良くもしてもらえないと自分で思い込んでいる場合もあります。

言葉で簡単に勧めても、難しいですが、事例をあげて、丁寧に、勧め、君は笑顔が素敵だから、その笑顔で、新しい環境で人と接すれば、きっと、好意を持ってもらえるよと豪語したりします。

ほんの少しの勇気で、少女たちの「友だち」の幅が広がるよう願いながら、帰途に着きました。

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