私たちのホーム(1R)で、昨年の暮れから、私的契約で生活していた17歳の少年が逮捕され、鑑別所に入所していました。
本日、審判が行われ、保護観察処分となりました。少年院送致の可能も高い中、処分言い渡しのときは、保護者として審判に出席したホームスタッフも、雇用主(社長夫妻)さんも、緊張の極みでした。
普通だったら、少年院送致になっていただろうケースでしたが、本人が逮捕される前の三ヶ月程、遅刻なしで、真面目に仕事に通っていたこと、職場の上司、同僚、社長夫妻から、早く職場復帰してほしいとの声が多数上がったこと、彼を応援してくれる大人が沢山周りにいたことが社会内処遇という結果を勝ち取ったと思います。本人の頑張りを周りはしっかり見てたということです。
またまた、少年事件に熱心に取り組まれると定評のある熱血弁護士が国選付添人となったことが、彼にとって良かったと思います。(他の少年のことでも何度か連携させてもらったことのある先生でした。)
非行児が、非行から離脱していく過程には失敗はつきものだと思います。
特に家庭環境がしんどく、身近に大切にしてくれる大人がいなかった場合は、対人関係で問題を繰り返し、なかなか、居場所を見つけることは出来ません。
そういった子どもが居場所と感じられる場所を見つけ出し、まま、やり甲斐を感じる仕事場が与えられると、ぐんと成長します。
でも、その中では、全く、失敗せずに生活することは、難しいと思います。
非行の深度や大人への不信は、一日や二日で改善されません。
私たちのホームに来て、すぐに起こした事件のようでしたし、生活のなかで、ドラッグに二度ほど手を出したこともありました。
そういったことから、家裁も少年院送致の可能性が高いと言わざるを得なかったようです。
しかし、私は民間だから思うのですが、
そんなに簡単に人が変われるなら、警察はいらはいと思います。
私たちのホームに来て、すぐに良くならなかったから、今回の審判で、再び、ホームに帰しても、更生出来るか疑問ということのようでした。
もし、彼がホームに来て、ずっと、仕事をしない、就職活動もしない、悪さをするというなら、仕方ありませんが、今まで1ヶ月以上、仕事を続かなかった子が半年以上、仕事が続き、正社員にもしてもらい、直近三ヶ月は無遅刻で頑張っていたんです。
私たちは、親と暮らせず、居場所を失った彼の住居を用意できて良かったとおもいますし、彼が居場所だと思える職場に出会えたことも本当に本当に良かったとおもいます。
しかし、これから、彼は被害回復をしていくため、本人の強い希望もあり、弁済をすべく、弁護士さんと頑張っていきます。
これからの生活は社会復帰出来たからといって、単に良かった、ラッキーではなく、しんどいことも多いとおもいます。
でも、家裁からの帰り道、高速道路から生駒山が見えたとき、彼は涙ぐみました。
その涙を忘れないよう、また、細く長く、
声かけして行きたいとおもいます。
写真のカレーは、観察所近くにある有名なジャクソンのカレーです。本人、弁護士、社長夫妻、私で、昼食に食べました。このとき、みんなで一緒に食べたカレーも良い思い出となりました。
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